2009年03月31日

TomTomの特許訴訟で何が起こったのか?   add to hatena add to hatena

各メディアが報じているが、MicrosoftとTomTomとの特許侵害訴訟が
和解に至ったらしい。

CNET Japan:「マイクロソフトとTomTom、特許侵害訴訟で和解」

和解の一環として、TomTomはMicrosoftの地図機能とファイル管理機能
に関する特許保護のための金銭的補償をMicrosoftに対して行う。
これらの特許は、TomTomのLinuxカーネル使用によって侵害されたと
Microsoftが主張していたものだ。同時にMicrosoftは、 TomTomが
Microsoftに対する反訴の中で言及したTomTomの特許を利用できるようになる。
この件で、MicrosoftからTomTom に対する支払いは行われない。

不思議なのは、一週間程度前に、
TomTomがオープンソース特許ネットワーク(Open Invention Network、OIN)
に加盟したというニュースが流れていたことだ。

CNET Japan:「TomTom、オープンソース特許ネットワークOINに加盟」

これは、普通に考えれば、TomTomが訴訟対策の一環として
備えをするための動きだろう。だとすれば、和解までの合間が
非常に短いように思う。

そのため、OIN加盟の後に、Microsoftから、訴訟を長引かせるよりも
メリットがある提案がTomTomに渡されたと見るのが自然だろう。

そうなると、この和解に至るまでに、特許侵害自体の有無は、
あまり議論されていないのではないかと思う。
争点は、ビジネス的な条件だったのではないか。


また、TomTomのページにプレスリリース文が見つからなかったので
元の発表を読んだわけではないが、Linuxのコードに特許侵害を
しているコードが存在しているとの結論に達したようにも、
そうでないようにも読める。

いずれにせよ和解に至り、合意の詳細も公開されていないため、
何かが立証されたり、証明されたわけではないことには注意が必要である。


これでTomTomの特許侵害訴訟は終了したわけだが、
MicrosoftがLinuxの特許侵害を主張し商業利用企業に
クロスライセンス契約を迫っている問題は、
訴訟の可能性も含め、さらに拡大していくものと思われる。

2009年03月28日

[舞台] マヌ★カン   add to hatena add to hatena

劇団TRAPPERの舞台、「マヌ★カン」を見てきた。
場所は、新宿シアターモリエール。
主演(?)は、建みさととミスターちん。

ジャンルとしてはコメディであるが、
その一言だけではもったいない。

少しジーンとくるシーンもありつつ、
思わず爆笑してしまうナンセンスギャグ的なシーンもあり、
心に響くエンタテイメントに仕上がっている。


特に、終盤一歩手前あたりで、伏線が出尽くし
シナリオが読めた感じもしたが、そこから予想を
大きく裏切るネタがあったり、少し泣かせる締めもあったりし、
「そうくるのか」といい意味で裏切られた感じだ。

(たぶん)パンフレットにも意図が込められており、
演出家の方の遊び心や意欲が盛りだくさんだった。

途中、盛り込みすぎた気も若干したが、
最終的には上手くまとまっていて良かったと思う。


見に行った甲斐があった。
今後もなかなか楽しみである。

2009年03月26日

なぜ「EclipseバンドルのGlassFish」がリリースされた   add to hatena add to hatena

マイコミジャーナルより
「Sun Microsystems、EclipseバンドルのGlassFishをリリース」

私の知る限り、あれだけNetBeansを推しているSunが
EclipseバンドルのGlassFish(英語からすると「GlassFishバンドルのEclipse」が正しいような)
を出してきたのか謎である。

GlassFish同根版のNetBeansも存在するようではあるが。

やっぱりIBMのSun買収話は結構進んでいるのか
・・・というのは邪推のしすぎかなぁ。


この邪推はともかく、個人的にはIBMがSunを買収するとすれば、
UNIXサーバだけでなく、今流行の「クラウド」ビジネスも視野に入れている
と個人的には見ている。

IBMのBlue Cloudはいわゆる「プライベートクラウド」であり、
世間の流れとは間逆に進んできてしまったと言える。

一方のSunは、「Open Cloud Platform」を買収情報が流れた直後に
発表しており、IBMのBlue Cloudとは相補的な関係になると思う。

買収の情報が流れた後のSunの発表が
買収を促すための情報に見えて仕方ないのは私だけだろうか。

2009年03月22日

Unix Magazine 2009年4月号は面白い   add to hatena add to hatena

何年か前から季刊雑誌となったUnix Magazine。
最新の2009年4月号が面白い。

いろいろなところで「クラウドをつかむ」というタイトルの特集
が話題となっているが、実はそれ以外も面白い記事が
掲載されている。

載っているのは、以下の3つの記事だが、
どれも導入的かつ割りとコアな内容が書かれており、
最新動向を知るにも、これから詳細を学ぶ最初にも丁度良い内容だ。
  • 「iPhoneのアーキテクチャ」
  • 「OpenSolarisの魅力と実力」
  • 「次世代ファイルシステムを知る ext4&Btrfs」
実は、まだ肝心のクラウドの特集は、
後回しにしていて読めていないのだが、総ページ数が約80ページと、
ボリュームだけでもすごい。

けっこうお買い得な感じに仕上がっているのではないか。

#記事が大きく括ると4つというのも、ある意味すごい。

2009年03月21日

[映画] おくりびと   add to hatena add to hatena

遅ればせながら、アカデミー賞の外国語映画賞
を受賞した「おくりびと」を見てきた。

昨年の夏ごろに予告編を見たときから
見てみたいと思っていたのだが、タイミングが悪く、
映画館に行く時間がとれずに断念していた。

しかし、アカデミー賞を受賞したことで、
アンコール上映も行われることになり、
見る機会ができた。


アカデミー賞の受賞でご存知の方も多いと思うが、
おくりびとは、葬儀の際に故人を棺に入れる
「納棺師」を題材にした作品である。

「人生」というものを、よくある死に臨む人々を
中心に表現するのではなく、死後に立会い、送り出す、
影の存在を中心に表現した映画だ。

作品として、観客の引き込み方、ストーリーの展開、
演出など、どれをとっても王道といえる。
心に暖かいものが残る、素晴らしい作品となっている。


「おくりびと」自体素晴らしい作品だが、
個人的には、一月ほど前に見た「ベンジャミン・バトン」
との対比がより心に残った。

ベンジャミン・バトンは、いわば「人生」を
徹底して「生きる」という側面から描いた作品である。

一方のおくりびとは、「死(死後)」の側面から描いた
作品であると言え、両者は、同じテーマを
全く逆の視点から描いたような作品だ。

描かれている世界観の違いにも、
アメリカと日本の違いがにじみ出ている。

ベンジャミン・バトンとおくりびとの
主人公達の人生の違い、そして性格の違いからは、
つくづくアメリカと日本人の人生観は違うのだ
と感じずにはいられなかった。

しかし、実は両者には共通点も多い。

それぞれの人が、それぞれの幸せを生きる人生。
死を尊ぶ最期。

習慣や価値観の相違はあれど、
どこの誰であっても人間としての共通点は持っている。
そういう世界が描かれている。

人は誰でも紆余曲折の人生を過ごし、
アクシデントに愕然とし、思わぬ幸運に涙する。

生きていることは尊い。
だからこそ、その生を振り返り心に刻む死も、
ある意味で尊い。


帰り道、作品を振り返りながら
そんなことを感じていた。

両作品を見て、この貴重な機会を得た
ことに感謝しよう。